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2023年2月16日 (木)

断捨離はするな!

  ミニマリスト(最低限のモノで暮らす人)。総じて敢えて最低限者しか無いこと、極めることを美であるとするミニマリズムが日本では流行している。断捨離ブームで、モノを持たない身軽な生活に憧れる主婦が多い。モノに溢れていた部屋が、モノを捨てたことでスッキリした空間に変わっていくのは一種の快感を伴います。その快感が得たいがために、モノを減らすことに執着していませんか?モノは少ない方が善、モノを捨てないといけないと思っている人は「断捨離依存症」かもしれません。最近、ベテランの俳優が大量の所持品を整理し終活をしたという話しをよく聞く。中尾彬は大好きな「ねじねじ」を半分捨てた。大型トラック7台分の家財を捨て一軒家からマンションへ引っ越した中村メイコは「大事なものから捨てなさい」という本まで出版している。本は読んでないけどタイトルからして怖い!!「断捨離」というテレビ番組まであるし、タレントの杉原杏璃まで断捨離してる。断捨離とはモノに執着せず部屋の不用品を整理してスッキリとすること。しかし最近はお金が貯まらないのは不要品があるせいとか、捨てると運気が上がるとか、風水的な断捨離が流行っている。迷信を信じると精神的に病む。たくさんの好きな物や旅先で買った民芸品など他人から見れば不用品でも本人にとって想い出があるので、好きなものに囲まれている方が気が落ち着くこともある。ニューヨークでは無駄なモノを削ぎ落していく引き算方式な「ミニマリズム」とは真逆の「マキシリズム」が各界で頭角を現し始めてきている。シンプルはもうつまらないというのである。ファッションはじめ家具、生活雑貨にいたるまで個性的で装飾されたモノに囲まれて暮らすのが楽しい。ミニマリズムとマクシマリズム、あなたならどっちを選ぶのか。かのバートランド・ラッセルは「社会が一つの全体としてせねばならぬような問題と、画一というこことを不要とするような問題とこの両者を区別して考察してみることが必要」(ラッセル著「権力」みすず書房)とある。だが「オシャレ」とか「スッキリ」とかを善しとする世の中の断捨離ブームに疑問を感じていた。五木寛之は「捨てない生きかた」の中で、思い出のある品物とか本とかなるべく取っておくほうがいいと論じている。仏教学にも造詣が深い五木によると、なんでも捨てればよい、という考えは本来の仏教の思想にはないそうである。価値は人それぞれで違うと思うが、この世に価値のないものなどあるのだろうか。わたしはやっぱり「捨てない派」かな。一軒家で収納スペースは十分にある。本の蒐集は10代からのものでもはや一生治らない病のようなものである。ほかにレコード、ビデオテープ、チラシ、地図、絵葉書などもある。旅行先で買った土産などの置物も飾り棚に山ほどある。気分が悪い時に小物にふれると癒してくれる。都会生活でも暮らしの雑貨、自然の森の落ち葉のようなもので、小さな生き物の命を育んでいる。

 

 

 

 

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