いとしのバレンタイン
スーパーの棚にはチョコレートが並べられ、バレンタインデーが待ち遠しいシーズン。むかしこの時期聴きたい曲は「マイ・ファニー・バレンタイン」。なかでもフランク・シナトラ盤はネルソン・リドルの指揮・演奏でシナトラの名唱中の名唱。シナトラとキム・ノヴァック主演の映画「夜の豹」(1957年)に挿入されていた。もともとはロレンツ・ハート作詞、リチャード・ロジャーズ作曲による1937年の作品。同年のミュージカル「ベイブス・イン・マイ・アームズ」で使われた曲だった。このミュージカルは2年後MGMで映画化され、ジュディ・ガーランドが歌って知られるようになった。バレンタインとは男性の名前。つまり、この曲はバレンタインデーとは直接には関係がない。「私のいとしのバレンタイン様」とあこがれの男性に思いを伝える女性が歌うべき曲ではあるが、なぜかベン・ウェブスター、マイルス・ディビス、チェット・ベーカーなど男性ミュージシャンに人気が高い。ロレンツ・ハートの歌詞にはvalentineと小文字で、つまりバレンタインデーにカードを送る相手、つまり「恋人、特別な人」を意味するともいわれる。でもこの曲の最後の歌詞に「毎日がバレンタインデーなんだから」と彼氏の名前をつなげているので、やっぱりバレンタインデーにふさわしい名曲なのだ。(MY FUNNY VALENTINE)
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いつも素晴らしい記事を拝見しておりますが、いろいろと勉強になり深謝申し上げています。バレンタインデー関連のご説明も知識の粮にさせていただきました。小生はやがて後期高齢者となりますが、この14日の朝枕元に異物を感じ、手に取ると老妻からのチョコでした。考えてみれば長いプレゼントなのです。小生は昔の人間、歯の浮くようなセリフは吐けません。ただ気持で感謝しただけでした。
投稿: 冨倉康方 | 2009年2月16日 (月) 10時25分