ふんどしの日
本日は、日本ふんどし協会が2011年に制定した「ふんどしの日」である。ふん(2)ど(10)し(4)の語呂合わせ。人類誕生のとき全裸であったが、アダムとイブの時代に、木の葉で陰部を隠すようになり、さらに文明が進むにつれて衣類で覆うようになった。すなわち人類最初の叡智が「ふんどし」である。人類学の坪井正五郎(1863-1913)によると、ふんどしの起源は先史時代にさかのぼると考えられるが、中国・朝鮮系統の袴状の蔽腰服物と、南方系統の帯状のものとに分類され、日本では奈良・平安時代、上流男子は袴状の蔽腰服物を、下流男子は帯状のものを着用していたとある。女子は「腰巻き」が一般的であった。江戸期、男子の「六尺ふんどし」「越中ふんどし」に代表される細長い帯状の布を股間に通し、腰に巻きつけるスタイルは、東南アジアやオセアニアに多く見られる。古代ギリシアでは「キトン」と呼んで、長方形の布を折って体に巻きつけることを基本としていた。したがって、下着もヨーロッパから中国にかけては「腰巻き」、あるいは「さるまた式」が主流で、「ふんどし」は西欧では野蛮な奇習とみられる風潮にあったが、日本では江戸から明治にかけて、男子の「ふんどし」スタイルが主流であった時代が長く続いた。昭和になって、洋装化により、「さるまた式」のパンツとなり、日常におけるふんどし類の着用はほとんど見られなくなった。女子の「腰巻き」も昭和戦前期まで続いたが、戦後「パンティ」「ショーツ」となった。ところが近年、ふんどしは通気性が良いこと、締めつけ感がないことなどから、女優の益戸育江さんのように愛用する女性も増えてきた。「パンドールショーツ」「ななふん」など女性専用ふんどしがいま注目されている。
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