ワンマン宰相吉田茂
ウクライナの大統領ゼレンスキーは、44歳ということで、彼が生まれた時代の日本の総理大臣は福田赳夫だった。ちなみに私が生まれたときは吉田茂である。 吉田茂は、1967年の10月20日、神奈川県大磯の自邸で死去した。享年89歳。前日に「富士山が見たい」と病床で呟き、一日中飽かず快晴の富士山を眺めていたという。吉田邸は2009年3月、全焼した。
1953年のこの日、吉田は衆議院予算委員会の席上、社会党の西村栄一議員の国際情勢の楽観的な見通しを追及されたことに立腹し「バカヤロー」と発言した。これがもとで内閣不信任案が提出・可決され、この年の3月14日に衆議院が解散してしまった。世にいう「バカヤロー解散」で、いまからちょうど70年前の出来事だ。戦後の歴代首相の中でいちばん国民に嫌われていたのは誰か?インフレと食糧難、左翼勢力の台頭などの時代相もあるが、吉田茂であろう。しかし半世紀後、歴史的評価をするならば、自由世界に例をみない7年2ヵ月の長期安定政権で戦後の基礎をすえた吉田茂の指導性を高く評価しないわけにはいかない。杣正夫は吉田茂の功績を次の5点に要約している。①初期占領政策の非軍事化、民主化の圧力を最小限にとどめ、旧天皇制の官僚政治をある程度温存しえたこと。②天皇の特別の地位の維持、③反共主義を軸にして反社会主義治安体制の整備、④日本の外交・軍事の対米依存体制の設定。⑤これら政治的環境を条件にした国家独占資本主義経済の基盤設定、以上である。(Steele Collection)
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NHKドラマ「負けて勝つ ~戦後を創った男」を見ました。
投稿: 維盛 | 2012年10月20日 (土) 12時23分