美しい顔の条件
人間の身体の部位の中でも顔は特別である。誰でも加齢により、顔の外見的な印象は変化していくが、目など俤は残されている。何万人いようと全く同じ顔などいない。千差万別である。先日、時事通信社やフジテレビが女優小嶺麗奈の写真を全く別人と間違えて報道していた。間違えられた女性は多大な迷惑を受けたと思われるが、顔の検索機能など未だ十分ではない。人間の感覚的な認識で人の区別をしているのが現状である。
世界でもっとも美しい映画女優は誰れ?グレタ・ガルボ、イングリット・バーグマン、ヴィヴィアン・リー、グレース・ケリー、オードリー・ヘップバーン、エリザベス・テーラー、カトリーヌ・ドヌーヴといったところか。最近ではアメリカのジュリア・ロバーツやナタリー・ポートマン、フランスのエマニュエル・べアール、イタリアのモニカ・ベルッチ、スペインのペネロペ・クルズやエルサ・パタキー、インドのシュリデビ・カプール、韓国のイ・ヨンエ、中国のコン・リー(鞏倒)、ファン・ビンビン(範冰冰)らが代表的美人女優である。
人間の姿、とくに若い女性の像は、昔から絵画や彫刻で最も好まれた題材である。美しい顔には正面と横顔の基準がある。正面美人の条件は左右対称と輝く笑顔である。また顎からエラにかかるラインを最近では「Vライン」と呼ぶ。美しい横顔には、顎と鼻を結ぶ「Eライン」ができる。唇の位置が意Eラインの内側にあることがポイントである。Eラインはアメリカの矯正歯科医のDr.ロバート・リケッツにより研究発表されたものだが、西洋絵画をみるとすでに15世紀中頃には確立された技法であることがわかる。
ただし、美人の要件は顔だけではない。とくに古来から日本人は「たたずまい」の美学を重要視する。「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」自然に立っているだけで、落ち着いた雰囲気があるのが美人の要件のひとつである。若手女優はともすればハリキリすぎて落ち着きのないガサツな感じがするものである。そのなかで清原果耶は異色な存在であり、凛とした佇まいと透明感がある容姿で、もはや菩薩の域に達していると思える。
ルネサンスの画家アントニオ・デル・ポライウォーロの「若い女性の肖像」(1465年)をみると、Eラインがみられ唇の位置が内側にある。
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