おかげ参り
庶民が伊勢参りにあこがれる「おかげ参り」は、すでに室町から戦国時代にあったようだが、爆発的な流行となったのは、江戸時代に入ってからである。戦乱が遠ざかり、生産力が上がって、たいていの庶民も少し無理をすれば長旅ができる。その口実として、伊勢参宮はかっこうのものだった。宝永2年、明和8年にブームがおきたが、文政13年(1830)、すなわち文政のおかげ参りに参加した人々の数は、400万余といわれる。当時の総人口を3000万として考えると10人に1人より、もっと大きな割合でおかげ参りがなされていたことになる。庶民の旅行ブームはもちろん伊勢だけではない。関東では出羽三山や成田不動、西日本では高野山・熊野・金毘羅・厳島社などなどへの参詣も大流行だった。(参考;「お伊勢まいり」岩波新書 西垣晴次 1983年)
« 吉良上野介の首級の行方 | トップページ | シーボルトと長崎 »
「日本史」カテゴリの記事
- 鼻毛のお手入れは入念に(2025.10.23)
- 越後高田藩騒動(1680年)(2025.10.19)
- 六郷満山(2025.10.18)
- 大小切騒動(2025.10.14)
- 井戸尻遺跡(2025.05.18)


コメント