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2022年12月16日 (金)

白木屋ズロース伝説

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 「チコちゃんに叱られる」で広瀬すずは「ズロース」を知らなんだ。若い女性には今や「ズロース」は死語である。和製英語でドローワーズ(drawers)に由来する。一般に日本の女性がパンツ下着をつけるようになったのはある火災事故がきっかけと俗に言われる。いわゆる「白木屋ズロース伝説」である。昭和7年12月16日午前9時半、新装なったばかりの東京・日本橋のデパート白木屋(現・COREDO日本橋)の4階玩具売り場のクリスマス・ツリーの電飾から出火した火災は、死者14人、重軽傷者約130人を出す大惨事となった。わが国初の高層ビル火災(当時、白木屋は8階建て)であった。「当時の女性は和装でズロースをはいていなかったため、裾の乱れを気にして犠牲者を増やした」という噂が巷間まことしやかに伝えられ、日本女性のパンツの着用が普及していったとする「白木屋ズロース伝説」が生まれたが、俗説である。

    この説に対して、高倉テル(1891-1986)は『女はなぜズロースをはくか』という本を書いて反論した。高倉は、大正中期から職場に進出した女性たちが、手縫いのパンツをはきはじめたことをあげ、ズロースは銀座から普及したものではなく、工場や女性の職場から生まれたと主張している。白木屋7の女店員たちは、スカートの下に都腰巻をしていたのではないだろうか。

   当時の新聞には「外出にはズロースを」という女性のズロース着用を促す論調の記事が見られるものの、白木屋火災の後に目だってズロースを着用する女性が増えたという歴史的な事実は見られない。一般に日本女性がパンツをはくようになったのは、太平洋菟戦争中のモンペが用いられるようになって、戦後から一般化したと考えられる。

 

 

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コメント

いつもいつも楽しく拝見しております。
幅広く色々な事を勉強できますのでもう中毒状態で
1日に何回も拝見しています!!

本日の記事の
>東京・日本橋のデパート白木屋(現・東急百貨店)
ですが、何年前か失念しましたが
東急百貨店から"コレド日本橋"というちょっと大人向けのショッピングセンター?に変わりました。(とってもがっかりしました)
http://mi-mo.jp/pc/special/coredo/ ←です。

確かに今は東急百貨店ではないです。

いつもご覧いただきありがとうございます。ご指摘の箇所は訂正します。東京見物は2度だけなので、このような誤りをしてスミマセン。遠くにいるとなおさら東京への憧れがつのります。

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