若手人気スターがいない洋画界
洋画雑誌「スクリーン」(1946年5月創刊)などで知られる近代映画社が2015年10月に、事実上倒産した。「スクリーン」の発行は継続され、現在に至るまで継続して刊行されている。私は毎年カレンダーが付録につく1月号だけ購入している。2023年1月号は11月21日頃発売される予定だが、本屋へ行ってみる。表紙はなんと大泉洋×目黒蓮だそうである。洋画雑誌の表紙に日本の俳優が選ばれるのは奇異な感じた。かつて榊原郁恵の歌に「アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた」(1977年)というのがあったが、やはりアラン・ドロンのような人気スターが洋画界にいなくなったからだろう。アイドル雑誌「キンダイ」は2009年11月号で休刊している。巻末には「表紙でふりかえる64年間」には懐かしいスターの顔がでている。昭和20年12月号創刊号の表紙は山田五十鈴だった。藤田進と原節子(昭和21年創刊2号)、上原謙と原節子(昭和21年10月号)、高峰秀子(昭和22年3月号)、浜田百合子(昭和22年6月号)、折原啓子(昭和22年11月号)、三浦光子(昭和23年2月号)、高峰三枝子(昭和23年5月号)、木暮実千代(昭和23年6月号)、長谷川一夫と高峰秀子(昭和23年7月号)、轟夕起子(昭和23年8月号)、山口淑子(昭和24年1月号)、「近代映画」から「KINDAI」までで表紙を飾ったスターは約200人。最も多く表紙を飾ったのは原節子だった。そして最終号の表紙はキュートが飾った。ここ数年のキンダイのカラー印刷は他と比べても格段とキレイだっただけに残念である。やはりネットに押されて販売部数が減ったことが原因だろうが、編集も工夫が必要ではないか。「スクリーン」誌のようにある程度読物的記事がほしい。ネットでは得られないインタヴュー記事や詳細な記録・データがあれば継続購読者はいるはずである。それにしても戦後の芸能史ともいえる「近代映画」が休刊することは惜しい気がする。(業界では休刊=廃刊)最後に、山田五十鈴の紹介で「愛称はベルさん」(鈴なので)、高峰秀子は「愛称はデコちゃん」(ヒデコなので)が正しいので訂正しておきます。
戦後、映画ファンは洋画にロマンティックな憧れを抱いていた。日活アクション映画は洋画のパクリが多い。石原裕次郎の「夜霧よ今夜もありがとう」は「カサブランカ」、小林旭の「ギターを持った渡り鳥」は西部劇の「シェーン」、そして赤木圭一郎の「霧笛が俺を呼んでいる」は英映画「第三の男」のリスペクト作品である。
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