西郷隆盛像
森喜朗氏の銅像計画が進んでいる。だが東京五輪のスポンサー選定で、金銭の授受が明るみになって、銅像計画に非難の声も出ているという。日本全国各地にある銅像の中でもとりわけ有名なのが、東京上野公園に建っている西郷隆盛の銅像。この銅像は、高村光雲の作(傍らの犬は後藤貞行作)。鋳造は岡崎雪聲。1898年12月18日に除幕式が行われた。公開の際に招かれた西郷糸子は「うちの主人はこんなお人じゃなかった」ともらしたといわれる。糸子の発言については、銅像の顔が本人に似ていないと解釈するのが一般的であるが、亡夫は多くの人間の前に正装ではなく、普段着で出るような礼儀をわきまえない人間ではないという意味だったとする解釈もある。ウサギ狩りに行く様子を描いたとされている。西南戦争で朝敵となった西郷を明治政府の官位による正装をさせるわけにはいかなかった事情が背景にあったとする考えがある。NHK大河ドラマ「西郷どん」でもこの除幕式のシーンが冒頭にあった。軍楽隊の曲目はヘンデルの「見よ、勇者は帰る」。甲子園での高校野球でお馴染みの曲だが、イギリス人が明治初期から日本に伝え、明治陸海軍ではさかんに演奏されていた。
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