瀬戸内晴美「夏の終り」
令和3年11月、瀬戸内寂聴は心不全のため僊化。99歳だった。本名、三谷晴美は大正11年5月15日、徳島市塀裏町字巽浜14に、父三谷豊吉、母コハルの次女として生れる。瀬戸内の姓は、後年養子縁組をしたため。昭和18年、見合い結婚。昭和22年、4歳年下の夫の教え子Oと出奔。昭和26年、妻子ある前衛作家・小田仁二郎(1910-1979)と8年余りの半同棲生活をしたのち、また年下の男子との生活を復活させる。この間の事情を私小説として「夏の終り」を書く。昭和37年「新潮」に発表し、女流文学賞を受賞し、作家的地位を築く。昭和48年に中尊寺で得度し、寂聴となる。今東光は、「頭はどうする?」「剃ります」「下半身はどうする」「断ちます」と二言三言を質問した。その後、昭和61年に円地文子が亡くなると、瀬戸内は「源氏物語」の執筆にとりかかった。
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