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2022年7月29日 (金)

広辞苑「巨乳」問題

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    2008年に広辞苑が改訂されたとき、「ニート」「イケメン」「うざい」など世相を反映した言葉が新登録されて話題になった。しかし「巨乳」という言葉は無かった。巨乳という言葉は既に人口に膾炙し、誰もが知っている言葉だが、日常語として使うには憚られる言葉である。この巨乳こそ広辞苑編集部を悩ます問題なのである。今回、見送りとなった理由は「いわゆる大きさを意味する接頭語としての巨に乳がついただけだから」ということだそうだ。類語の「豊胸」も旧版には無かったが、豊胸手術が一般化され、現在では採録されている。つまり「巨乳」が未来永劫に広辞苑に採録しないというわけではないらしい。一面的な倫理感で時代や風俗を反映する言葉を切り捨てることは好ましいことではない。辞書で「巨乳」が認知される日が来るのだろうか。ちなみに「ぼいん」は広辞苑に採録されている。「女性の乳房が豊かなさまをいう俗語」とある。巨泉、可朝の功績であろうか。だが「ぼいん」はもはや昭和の死語となっている。「巨乳」という語は、ウィキへディアに詳しい項目がある。また「大辞泉」にはちゃんと収録されている。「巨乳」という語の初出は「平凡パンチ1967年8月28日号」において、女優ジェーン・マンスフィールドの胸を表現する際に使われた。では、それ以前、日本人は大きな乳房をどのように表現したのだろうか?大正時代の作品で志賀直哉の「暗夜行路 前篇」の終わりの部分で、主人公の時任健作が遊郭の女性の乳をつまみ、「豊年だ!豊年だ!」と叫ぶ、日本文学史に残る名セリフがある。ケペルは長生きして「広辞苑改訂版」でいつか「巨乳」の語が収録されるその日を待ちたい、と夢に見ている。

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コメント

「巨乳」が認知されて「貧乳」「微乳」が寂しい思いをするのはいたたまれないですね、「貧乳派」としては。

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