ハンカ湖を知っているか?
社会科「中学生の地図」を見る。中国東北部とロシアとの国境地帯にハンカ湖(中国名は興凱湖)という広大な淡水湖がある。黒澤明監督の映画「デルス・ウザーラ」のロケ地としても使われたことがある。面積は4190k㎡で東アジアでは洞庭湖に次ぐ大きさを有する(琵琶湖の6.2倍)。中生代の終りには海と連結していたが、第三紀の初めにシホーテ・アリンの造山作用により生じた構造湖である。直線距離からいえば日本とはかなり近いが、なぜかその存在すら知られていない不思議な湖である。ハンカ湖とハバロフスク北部のアニユイ川河畔で捕獲された98例の鳥類の腎臓からreal-time PCRによりウエストナイルウイルスの遺伝子検出を行ったが、いずれも検体からもウイルス遺伝子は検出されなかった。しかし、微量中和法により血清の得られた91例中うち15例からウエストナイルウイルス抗体が検出され、極東ロシアで野鳥においてウエストナイルウイルスの感染のあることが示唆された。極東ロシアからは日本に渡り鳥が多数飛来することから、今後わが国におけるウエストナイル熱の防疫体制の強化が強く望まれる。
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