ひだる神
山の峠道などで、歩いている旅人が、突然飢渇を覚え、汗をかき身体がだるくなり、歩行困難を覚えることなどを悪霊のしわざとする俗信。峠道などで行き倒れになった死者の霊の災いともいわれ、これを「ひだる神に取りつかれた」という。全国各地、特に西日本に多く、「だに・だらし・ひもじいさま・じきとり・がき」などともいう。取りつかれる場所はだいたい決まっており、つかれたら米を一粒でも食べるか、手のひらに米の字を書いてそれをなめると治るという。「山に登るときは弁当を少しだけ残しておけ」という古い諺は、この饑神(ヒダル神)に憑かれたときのためなのだ。(森山厄介)
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