安倍元首相の告別式
本日午後1時、芝増上寺で安倍晋三氏の告別式が行われる。安倍氏には戦後4人目となる大勲位菊花大綬章が贈られる。国葬については正式な発表はないが、おそらく国葬になるのではないか。ネットでは賛否両論あるだろう。故事名言に「棺を蓋いて事定まる」とあるが、安倍氏は内政と外交の両面で強い指導力を発揮したが、功績と悪事悪行が相半ばし、評価が定まるには期日が要する。ただ国民の間にはその突然の別れが衝撃的で、テレビ追悼番組が放送されるや、全国各地で大勢の人が献花に訪れ、安倍晋三ブームという社会現象が起こりつつある。安倍晋三さんはその気さくな人柄で、最も国民に愛された政治家なのか、岸信介の孫と出自で最も嫌われた政治家なのか、両極のいわば光と闇をかかえた運命であった。13日にはアメリカ上院で安倍氏の功績をたたえる決議案が採択された。「一流の政治家で、世界の民主主義的価値観の不断の擁護者」と評している。事件は「安倍晋三銃撃事件」が一般的に使われるが、なぜ「安倍晋三暗殺事件」ではないのだろうか。通常、「ケネディ暗殺事件」と呼ばれるだろうに。
今後、気になるのは犯人の刑罰である。特定宗教団体との因果関係やその動機の解明も大切であるが、テロ行為再発防止のための見せしめ的な懲罰刑が科せられるのか気がかりである。国民すべてを敵に回した単独犯というのは世界の暗殺史を見ても類例がない。シーザーを殺したブルータスも数10人のグループあったし、始皇帝を狙った荊軻も燕の太子の命令を受けたものである。韓国の独立運動家安重根の伊藤博文暗殺も政治的グループの活動として行われたものである。なんらの政治的な意図を伴わず、組織もなく、単なる個人的な私怨で国家の偉大なリーダーを粛々と殺害を完遂せしめたという暗殺は珍しい。殺害動機は、「(安倍は)本来の敵ではない。あくまで現実的世界で最も影響力のある統一教会新派の一人に過ぎない」と手紙で書いている。。統一教会への復讐が最大の理由と考えられているが、実際はもっと複合的な理由が挙げられる。経済的困窮が第一に考えられる。第二は、もともとは勉強ができたので、大手企業への就職を夢見ていたようである。だが経済的な理由で大学進学諦めざるを得ず、希望するような職にはつけなかった。つまり学歴コンプレックスと将来への絶望である。第三は、「犯罪の影に女あり」というが、女性関係がほとんど表面にでてこない。ツイッターなどで「失恋」という文字が見えるが、どの程度の交際だったのか不明である。
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