川上澄生と港町
版画家・川上澄生(1895-1972)は、横浜市紅葉坂(現・西区紅葉ヶ丘)に生れた。川上の作品には、明治時代の文明開化や西欧異国情緒に満ちた南蛮もの、キリシタンもの、をテーマにした木版画が多く、横浜の情緒を生涯追い求めた作家といえる。だが、川上は3歳にときに一家はすぐに東京に転勤しており、東京で青山学院高等科卒業後は、カナダのヴィクトリア、アメリカのシアトル、アラスカ、帰国後は宇都宮、北海道の苫小牧、そして宇都宮と横浜に在住した記録はないようだ。しかし横浜のスケッチが多数残されており、しばしば訪れたことは間違いない。文明開化調、異国趣味、南蛮趣味の原風景はやはり横浜にあるのであろう。そして天才少女歌手・美空ひばりの原点が横浜にあるが、ブギとジャズ、そして演歌、その楽曲の多様性に中に横浜の魅力をみいだすことは容易であろう。横浜は不思議な文化が育つところである。川上は港町と縁がある。
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