東京ソング
東京を題材にした歌謡曲は佐藤千夜子の「東京行進曲」や小唄勝太郎・三島一声の「東京音頭」をはじめとして無数にある。某テレビ局が調査したところ、「東京」「TOKYO」とタイトルに冠した曲だけでも1271曲あるという。「銀座」「赤坂」「池袋」「新宿」など地域名を含めると1500曲以上はあるだろう。
戦後は笠置シズ子「東京ブギウギ」、灰田勝彦「東京の屋根の下」、フランク永井「有楽町で逢いましょう」「西銀座駅前」。しかし東京ご当地ソングが増加するのは1960年代になってからである。東京オリンピック前後の東京は好景気に沸き、繁華街が大盛況となり、東京は不夜城となっていった。石原裕次郎・牧村旬子「銀座の恋の物語」、新川二郎「東京の灯よいつまでも」、ザ・ピーナッツ「ウナ・セラ・ディ東京」、松尾和子「グッド・ナイト東京」、坂本九「サヨナラ東京」、渡哲也「東京流れ者」、井沢八郎「ああ上野駅」、西田佐知子「赤坂の夜は更けて」、日野てる子・高城丈二「青山の灯も消えて」、三田明「アイビー東京」、黒沢明とロス・プリモス「ラブユー東京」、中原理恵「東京ららばい」、和泉雅子・山内賢「二人の銀座」、大木英夫・津山洋子「新宿そだち」、藤圭子「新宿の女」、青江三奈「池袋の夜」、真田ナオキ「恵比寿」等々、ヒット曲は多い。私の好きな東京ソングはピチカート・ファイブ「トーキョーは夜の七時」、裕木奈江の「冬の東京」(1994)。韓国歌手チェウニは「トーキー・トワイライト」「東京の枯葉」「ガラスの東京タワー」など東京ソングの女王である。ズバリ「東京」というシンプルなタイトルは、やしきたかじん、マイペース、JUJU、ケツメイシ、手嶌葵の曲がある。
海外をみてもロンドンとかパリとか単に都市名のみの曲はあまり見当たらない。「モスクワの夜は更けて」「とんでイスタンブール」とか「想い出のサンフランシスコ」とか形容詞がつくものである。フランシス・ルマルクは日本での知名度はあまり高くないが、実力派のいかにも「シャンソン歌手」という感じで、彼の代表曲「A Paris」(1949年)がある。ジャネット・エヴラ「パリ」。また稀少例としてファウスト・チリアーノの「ローマ」(1972)がある。ローマの橋をテーマにした佳曲。彼は特捜最前線のエンディング「私だけの十字架」で日本でもお馴染みの歌手であるが本国でも有名な一流歌手だ。国名ならば「ブラジル」、メンデルスゾーンの「交響曲イタリア」。
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「私だけの十字架」、覚えています。いい曲でしたね。「東京」という曲は、桑田佳祐や福山雅治も出しています。吉井和哉も歌っていたと思います。
投稿: | 2017年11月15日 (水) 21時29分