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2022年5月19日 (木)

「歴史総合」への失望

 NHK高校講座「歴史総合」第1回。カレーライスの歴史をひも解き、大衆化、グローバル化を理解するという趣旨だったようだが、正直わたしにはさっぱり歴史総合がわからなかった。これでは歴史の流れがわからず基礎学力がつかない。2022年度春から高校の授業に新科目「歴史総合」が導入される。日本史Aと世界史Aを融合した科目で、近現代史を中心とした「歴史総合」といい、必修科目となる。歴史教育はつねに為政者の都合よいように変更される。ねらい資本主義を正当化するためにある。極右政治家は始まりを明治維新からにしたかったらしいが、結局18世紀後半の産業革命からになった。グローバル化を視点とした歴史観はウクライナ侵攻は真逆の事件。歴史は入試問題のために都合よく進展してくれない。

 高校講座の一学期のタイトル。水曜(隔週)午前10時「歴史総合とはなにか」「18世紀のアジア」「産業革命と世界経済の変化」「近代国家と国民国家」「近代国家への道のり」「帝国主義の時代」「20世紀はじめの世界」「「第二次世界大戦と戦後の世界 大衆社会・戦争・国際協調体制」

さて昨年のNHKの大河ドラマの主人公は「青天を衝け」で澁澤栄一であった。これは2024年から1万円紙幣の肖像に描かれることが大きなポイントになっているだろう。個人的に考えても、渋沢の生涯を概観することは意味のあることだと思う。歴史を研究するものにとって、常に我々が生きている現在の起点がどこか気になる。それは古代史を学ぶものや考古学でも同じだが、現代と関わりが大事である。もちろん直近の出来事のほうが密度は濃いが100年前、150年前のことも影響するが根深いものがある。近現代史でいえば第二次世界大戦後の米ソの冷戦体制が現代史の大枠を構成しているが、18世紀後半から始まったイギリスの産業革命と絶対王政を倒したフランス革命の歴史的意義が大きい。現代史でみると、蒸気機関、鉄道、電気、電話、自動車など技術の革新がめばえた19世紀半ばが注目される。すなわち渋沢の生きた激動の時代、天保11年から昭和6年までを辿ることは、世の中が大企業と金融資本家が育成されて巨大な資本主義国家をつくり、アジア・アフリカを植民地下において戦争をくりかえす帝国主義の時代にほかならない。ただしあくまで虚構の世界なので脚本家や演出家がどのような歴史解釈で描くかによってドラマは良くも悪くも変わるだろう。歴史総合はスタートしたばかりで書店にもまだ詳細な参考書はない。とりあえず帝国書院の「明解歴史総合図説シンフォニア」をゲットする。内容は第1部「近代化と私たち」、第2部「国際秩序の変化と大衆化と私たち」、第3部「グローバル化と私たち」

 

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