三国志及び諸葛孔明関係文献目録
中国時代劇「三国志 司馬懿 軍師同盟」が本日からBS日テレで放送される。数多い三国志でも司馬懿を主役にしたものは珍しい。「三国志」の物語は中国、台湾、韓国、そして日本でもなじみが深い。芳根京子主演のドラマ「海月姫」に登場する天水館の住人まやや(内田理央)は三国志オタク。三国志にまつわる故事成語はたくさんある。三顧の礼、水魚の交わり、苦肉の策、白眉、脾肉の嘆、老いてますます盛ん、泣いて馬謖を斬る、破竹の勢い、死せる諸葛、生ける仲達を走らす、臥竜・鳳雛、などはよく知られている。だが「若きは水滸を読まず、老いは三国を読まず」ということわざは中国人ならだれでも知っているが、日本人にはほとんど知られていないだろう。これは、青年期は血の気が激しいから、水滸伝を読んだら、謀反に走り、年輩の者は世渡りの経験に富んでいるから、三国志を読んだら、非常に狡猾で奸智にたけた者になる、という意味だそうだ。しかし、今のアジア各地ではそのようなことを真に受ける者はいない。日本でも小説、劇画、ゲームと何度も三国志ブームが繰り替えされている。映画「レッドクリフ」で新しい三国志ファンが生れた。
明鏡は形を照す所以古事は今を知る所以 曇りのない鏡は形を照らすから姿を見るのによく、歴史上の事実は現在のことを判断するためのよい参考になるということ。
白眼視 司馬政権に批判的だった阮籍は、司馬氏が唱える孝を強調した礼法に反発して、むやみに礼を尊ぶ礼法主義者に会うと白目をむいて素っ気なく応対した。この阮籍の態度から人を冷たい目で見ること、冷淡に扱うことを白眼視するというようになった。
月旦評 許劭は月の初めに自宅に多くの人を集めて人物批評会を開いていた。曹操が許劭に「太平の世なら有能な官僚だが、乱世だったら姦雄となる」と言われたのは有名な話。後世、人物批評、品定めを月旦評というようになった。
なお、「三国志」から生まれた故事俚諺としては、この他にも「白波」、「髀肉の嘆」、「鶏肋」、「危急存亡の秋」、「読書百遍義自ら見わる」、「呉下の阿蒙」「士、別れて三日、刮目してあい待す」などがある。
三国志及び諸葛孔明関係文献
支那史研究 諸葛亮伝 市村瓚次郎 春秋社 1939
三国志 吉川英治 大日本雄弁会講談社 1942
三国演義 倉石武四郎 光風館 1944
孔明の出盧についての異説 狩野直禎 学芸5-1 1948
三国志 世界名作文庫 柴田錬三郎 偕成社 1954
三国の英雄 少年図書館選書 伊藤貴磨 生活百科刊行会 1954
三国志 4 岩波文庫 小川環樹訳 岩波書店 1956
三国志 5 岩波文庫 小川環樹訳 岩波書店 1957
三国志 6 岩波文庫 小川環樹訳 岩波書店 1960
諸葛亮 馬植杰 上海人民出版社 1957
三国志演義 上 中国古典文学全集8 立間祥介訳 平凡社 1958
三国志演義 下 中国古典文学全集9 立間祥介訳 平凡社 1959
三国志 完訳四大奇書 上下 立間祥介訳 平凡社 1960
三国志 第7冊 岩波文庫 小川環樹・金田純一郎訳 岩波書店 1961
三国志実録 吉川幸次郎 筑摩書房 1962
諸葛孔明 中国人物叢書 狩野直禎 人物往来社 1966
西晋時代の諸葛孔明観 狩野直禎 東林59-1 1966
三国志 英雄ここにあり 柴田錬三郎 講談社 1968
三国志 村上知行訳 河出書房 1968
三国志 中国古典新書 宮川尚志訳 明徳出版社 1970
三国志の世界 人と歴史シリーズ 狩野直禎 清水書院 1971
三国志 和刻本正史 長沢規矩也解題 古典研究会 1972
英雄ここにあり 上中下 講談社文庫 柴田錬三郎 講談社 1975
三国志 世界の名作文学8 山本和夫訳 岩崎書店 1975
三国志ⅠⅡⅢ 今鷹真、小南一郎、井波律子共訳 筑摩書房 1977-1989
諸葛孔明 宮川尚志 桃源社 1978
三国志 全5巻 「中国の思想」刊行委員会編訳 徳間書店 1979
三国志 上中下 岩波少年文庫 小川環樹、武部利男訳 岩波書店 1980
三国志 別巻 競いあう個性 大石智良・竹内良雄訳 徳間書店 1980
三国志語彙集 藤井守編 広島大学中国中世大学研究会 1980
乱世の奸雄 別冊コミックトム三国志3 横山光輝 潮出版社 1980
後漢・三国時代 中国の歴史5 陳舜臣 平凡社 1981
三国志の人物学 守屋洋 PHP研究所 1981
三国志の世界(人物中国の歴史6) 駒田信二編 集英社 1981
諸葛亮新伝 華映閣 上海人民出版社 1982
三国志銘々伝 渡辺精一 光村図書出版 1984
城野宏の戦略三国志 城野宏著 西順一郎編 ソーテック社 1984
三国志・座右の銘 松本一男 三笠書房 1986
三国志曹操伝 中村愿 新人物往来社 1986
諸葛亮治蜀 祖国的四川双書 譚良囀嘨 四川人民出版社 1986
名言で読む三国志 村山孚 新人物往来社 1986
三国志の統率学 松本一男 三笠書房 1986
ザ・三国志 村上知行訳 第三書館 1987
「三国志」史話 林亮 立風書房 1987
三国志世界を行く 雑喉潤 徳間書店 1987
三国志展 図録 中国画報特集号 日本三国志展実行委員会 1987
三国志と人間学 安岡正篤 福村出版 1987
三国志の世界 加地伸行編 新人物往来社 1987
現代に生かす諸葛孔明の知略と戦略 三神良三 大陸書房 1989
乱世の英雄たち 三国志1 竹崎有斐 あかね書房 1989
三国志人物事典 渡辺精一 講談社 1989
三国志 この人間的魅力を見よ! 知的生きかた文庫 松本一男著 三笠書房 1990
三国志 全5巻 羅漢中著 大櫛克之作 素人社 1990
三国志 庄葳著 岡田陽一訳 三一書房 1990
三国志Ⅱ ハンドブック シブサワコウ 光栄 1990
三国志縦横談 丘振声著 村山孚編訳 新人物往来社 1990
諸葛孔明 立間祥介 岩波書店 1990
三国・虎視たんたん 三国志絵巻9 王矛・王敏 岩崎書店 1991
三国時代の戦乱 狩野直禎 新人物往来社 1991
三国志の英雄たち 別冊歴史読本中国史シリーズ1 新人物往来社 1991
三国志人物絵巻 劉生展・画 殷占堂編 MPC 1991
三国時代の戦乱 狩野直禎 新人物往来社 1991
反三国志 周大荒 講談社 1991
三国志英傑タイムス 歴史おもしろタイムス1 シブサワ・コウ編 光栄 1992
三国志孔明タイムス 歴史おもしろタイムス2 シブサワ・コウ編 光栄 1992
三国志演義 井波律子 岩波書店 1994
三国志新聞 日本文芸社 1996
三国志武将画伝 立間祥介監修 小学館 1996
真三国志1 歴史群像中国戦史シリーズ 学研 1998
大三国志 改訂新版 世界文化社 2005
三国志 カラー版徹底図解 榎本秋 新星出版社 2009
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