ゲーテ「もっと光を!」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテはドイツ最大の文学者・小説家・劇作家。ダンテ・シェークスピアと並んで世界三大文豪の一人といわれる。死の間際のことば「もっと光を」(Meht Licht)と言ったことは有名である。1832年3月22日、83歳で没した。 ドイツ文学者池内紀によると、実は哲学的な意味はなく、部屋が小さくて暗く小さな窓がついているだけだったので、窓を開けてくれの意味だったらしい。
わらべは見つけた 小バラの咲くのを
野に咲く小バラ
若く目ざめる美しさ
近く見ようとかけよって
心うれしくながめたり
小バラよ、小バラ、あかい小バラよ
野に咲く小バラ
*
わらべは言った「お前を折るよ
野に咲く小バラ!」
小バラは言った「私は刺します
いつも私を忘れぬように
めったに折られぬ私です」
小バラよ、小バラ、あかい小バラよ
野に咲く小バラ
*
けれども手折った手荒いわらべ
野に咲く小バラ
泣き声、ため息、かいもなく
折られてしまった 是非もなく
小バラよ、小バラよ、あかい小バラよ
野に咲く小バラよ
高橋健二訳
この詩は一説によれば、少年の性のめざめと官能の喜び、そのあとにつづく魂の傷あとのうずきをうたっているという。英語にも「Gather roses while you may.」「Gather roses」(バラをつみとる)とは人生の快楽を求める意。
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欧米の文学の喩法はキリスト教の聖書時代、ギリシャ、ローマ時代を経てから連綿と続くもので、かなり複雑に入り組み、これに地方の国民性が加わっているので微妙ですね。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年3月22日 (金) 13時59分
わらべは見たり野中のバラ…という歌がありましたよね
投稿: | 2017年3月25日 (土) 14時20分