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2022年3月28日 (月)

「雪国」国境論争

Img_0029   BS4K先行放送、高橋一生、奈緒、森田望智ら出演のドラマ「雪国」を観る。駒子と葉子との関係が対比されつつ、心理ドラマ感覚で新鮮な興味を覚えた。ドラマ冒頭で「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」の朗読は、「こっきょう」と読んでいた。番組エンディングでは「くにざかい」と読んでいる。なぜ両論併記なのか?むかしNHKの連続クイズホールドオン(123回)を見ていると、おかしな事例がある。Q川端康成の「雪国」そのモデルとなった町は新潟県の湯沢町だと言われています。小説冒頭の「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」と表わされている上越線のトンネルとは何でしょう?塩沢トンネル、清水トンネル、中山トンネル、榛名トンネル。アナウンサーはわざわざ「国境」(こっきょう)を「くにざかい」と読んでいる。なるほど理屈でいえば、トンネルは上野国と越後国の境にあるのであって、主権国家と主権国家との間のトンネルではない。だから「くにざかい」と読むべきだというのである。しかし清水トンネルが開通した頃に旧国名をもちだして「くにざかい」と言うのも変な話だ。つまり「雪国」と「雪なし国」とをつなぐトンネルという意味であれば、「こっきょう」と読むほうがふさわしいのでは、とする識者もいる。昭和36年にNHK教育テレビで放送された「日本の文学・川端康成」という番組ではナレーターが「雪国」を朗読し、「こっきょう」と読んでいる。もちろん川端も出演し、「こっきょう」と朗読されるのを聴いていた。それがいつしか「こっきょう」と読むのは無教養で、「くにざかい」と読むべきという理屈が大勢を占めてしまった。また「雪国」のトンネルを清水トンネルとするのも変である。原作には当然ながら書かれていない。川端自身「雪国」のモデル問題には辟易していて、「モデルがあるという意味では駒子は実在するが、小説の駒子はモデルといちじるしくちがうから、実在しないというのが正しいかもしれぬ。島村は無論私ではない」と後年に記している。「雪国」の舞台は特定した地域ではなく、東北地方、あるいは北陸、山陰の温泉町でもよい。読者がそれぞれ勝手に想像して読めばよいではないか。このような詮索は無用であるし、ましてやクイズにするのは滑稽である。

 

 

 

 

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