謎のコレット・テンピア楽団
イタリア女優のモニカ・ヴィッティが亡くなった。アラン・ドロンの出世作といえば「太陽がいっぱい」(1960)である。ニーノ・ロータの音楽だが、フィルム・シンフォニック・オーケストラという楽団のレコードもよくラジオから流れた。ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「太陽はひとりぼっち」(1962)の主題曲もよくヒットした。原題は「レクリプス(L'eclipse)」。映画ではミーナが歌っているが、日本ではコレット・テンピアColletto Tempia 楽団の曲でヒットしている。これも「太陽がいっぱい」と同様そのような楽団は実在しない。日本のレコード会社がツイスト風にアレンジして、すべて日本人のミュージシャン、アレンジャー、指揮者などによってレコーディングされた。いわば和製のサウンドトラックである。園まりが日本語歌詞で歌っている。「太陽はひとりぼっち」は現代人の愛の不毛を描いた作品である。モニカの焦点の定まらぬ茫洋としたムードが映画にぴったりだった。
たそがれのローマ
夏の陽のローマ
トレヴィの泉に 沈む陽よ
明日もあさっても ソレイユ レクリプス
愛の太陽 ただひとつ
ひとりぼっちの ああ太陽
むなしい恋の 涙のエンジェル
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