人類の過去と未来
政府は2020年代末までに日本人の月面着陸を計画しているという。 十年一昔、金融ビッグバンとか規制緩和という言葉が新聞紙面を賑わした。3.11、原発事故後の今は復興、増税、放射線、震災ナショナリズム、パンデミック、SDGSなど社会は一変したから恐れ入る。今世紀は宇宙開発、原子力利用など前世紀の所産の理想と現実に直面する時代なのだろう。「歴史は、人間の知恵と人間の意欲の生みだしたものである」というベネデット・クローチェ(1866-1952)の言葉を思い出す。クローチェはまだ人間の力を信じている学者であるようだが、人類全体は科学の進歩によってこれまで不可能なことが可能になるだろうが、個人個人の人生にとっては、幸福の追求は夢に過ぎないだろう。わたしはいま運命論を信じることにしている。
確かに、50年ほど前、人類の歴史はおよそ100万年といわれた(現代教養文庫に「人類の百万年」という本がある。1968年刊行)が、のちに500万年といわれた。ところが近年は猿人や旧人は絶滅したと考えられてホモ・サピエンスはおよそ5万年前といわれている。2018年現在、世界の人口は75億人に達している。過去に生れてきた人類すべての数と比較すると、どのくらいの比率になるのか。過去の人類+現在の人類=1082億人。これが人類誕生して以来の総数になる。つまり、現在生存している人類だけで、過去すべての人類の7%に相当する。2050年には100億人に達すると試算されているので、その頃の比率だと1割に近づく。ちなみにほとんどの時代において、平均寿命は30歳前後である。
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