大人のための知的雑学
「 サンドイッチ」がイギリスのサンドイッチ伯ジョン・モンタギューに由来しているのは有名な話であるが、既に存在する事物の名に因んで二次的に命名された言葉のことをエポニムという。たとえば、X線を用いて胸部などの透視撮影をするが、これを「レントゲン写真」ともいうのはドイツの物理学者ウィルへルム・レントゲンに因むからである。このような人名エポニムの例は多い。相手に苦痛を与えて満足を得ることをサディズムというが、その語源はマルキ・ド・サド(サド侯爵)の言行に由来するものである。
1928年11月18日、ニューヨークで熊のぬいぐるみ「テディベア」が発売された。その名前はセオドア・ルーズベルト大統領に由来している。珈琲ブールマウンテンはジャマイカの山の名前。長ズボンを意味するパンタロンは、16世紀中期イタリアの道化師が穿いていたパンタローネ(画像)に由来する。たばこのニコチンはフランスの外交官ジャン・ニコに由来する。
このほかアトウォーター係数、ギロチン、カーディガン、ピッツァ・マルゲリータ、ブーゲンビリア、コンテ、コルト45、シルエット、ハリー彗星、ハッブル望遠鏡、ツベルクリン反応、バウヒン弁、イナバウアー、ブルマ、エッフェル塔、ゲリマンダー、モールス信号、ロールシャッハ検査、ブラウン管、ドップラー効果、ラマン効果、ランドルト環、ボイコット、ディーゼル機関、ラッダイツ運動、リンチ、フンボルト海流、ナウマン象,ドルビーサラウンド、ラマーズ法、ベクレル、バドミントン、イナ・バウアー、チンダル現象、リーゼガング現象、ラムズデン現象、バセドウ病、スティーブンス・ジョンソン症候群、メニエール病、クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソン病、ドップラー効果、フレミングの法則、ピタゴラスの定理、モホロヴィチィチ連続面、リケッチア、マゾヒズム、伊達巻(伊達政宗)、金時豆(坂田金時)、隠元豆、市松模様、ハヤシライス(早矢仕有的)など人名に由来する語が多い。古今東西のさまざまな人物が事物にその名を残すにいたったいきさつを調べることは雑学研究の王道である。( 11月18日;pantaloon,pantalon,Jean Nicot(1530-1600),nicotine,Theodore Roosevelt,Edmund Halley,Eiffel,Teddy Bear,Samuel Morse,Amelia Jenks Bloomer,bloomers,Humboldt,Lamaze,eponym )
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( ̄ー ̄)ニヤリ
エポニム・・・いわれのある名前をつけること、なるほど比喩的命名ですかね。
雑学の宝庫といいますが、雑学は物知りということでしょう。ケベル先生は物知り博士ですよね。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年11月17日 (日) 21時44分