カムカムエヴリパディが楽しみだ
朝ドラ「カムカムエヴリパディ」の視聴率がじわじわと上がっている。おそらく高齢者にはとても感情移入しやすくて涙なしには見れない展開となってきた。朝ドラのヒロインはこれまで夢を追いかけるさわやかな話が多かったが、今回の安子は戦前・戦後の苦難を生きた庶民の女性の人生で、昔の大映の母もの映画のようである。空襲で祖母や両親、家を失い、応召した夫は還らぬ人となった。幼い子をつけて、大阪で暮らし始める。落ち着いたかと思いきや、交通事故に遭い、再び岡山へ戻る。子供るいと別れてロバートと共に渡米を決心する。時は流れて、成長したるい(深津絵里)が登場した。
安子の人生は不幸の連続で、物語は娘るいの成長につながる。最近の連ドラをみても安子のような不幸のヒロインは少ない。実はあの時代の多くの日本人は同じような辛酸をなめたはずだ。身を滅ぼして乞食になったり、病死したり、餓死した人もいるだろう。それではあまりに悲惨すぎてドラマにはならない。せめても繋ぎ役として子供に希望を託すことになる。3代のファミリーヒストリーという意味がわかってきた。朝見て、昼見て、つい2度見たくなる朝ドラは珍しい。藤本有紀の脚本が秀逸で、主演上白石萌音の安子を応援せずにはいられない。本日の放送で安子はもう見れないかもしれない。
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