リヴィングストンのアフリカ探検
ディヴィッド・リヴィングストン(1813-1873)は宣教師及び医師として最初中国に向うつもりであったが、1840年ロンドン伝道教会からアフリカ・ベチュアナランドにおもむくよう命ぜられた。さらに1849年この地を発した彼は北へカラハリ砂漠を縦断ヌガミ湖に達し、また1852年にはザンベジ川を中流からさかのぼりカタンガにおいてコンゴ川の支流カサイ川に達し大西洋岸に出た。さらに彼は同じ道を経てザンベジ上流におもむきヴィクトリア瀑布発見の後1856年5月インド洋岸に達し、史上最初のアフリカ大陸横断を達成した。1866年彼はニヤザ、タンガニーカを経て遂にコンゴ川上流のルアラバ川を発見しているが、これをナイル川の上流と見なしている。(のちスタンレーによってヴィクトリア湖がナイルの源流であるとほぼ確定された。その後の調査によると、ルヴィロンザ川やカゲラ川などが源流といわれる。)以後一時彼の消息は不明となるがその探索のため、1871年ニューヨーク・ヘラルド社からスタンレー(1841-1904)が派遣された。11月10日、彼はタンガニーカ湖畔のウジジで病めるひとりの白人の衰えた姿をみとめた。「リヴィングストン先生ではありませんか」スタンレーの感動にふるえる一声に、老人はうなずき、しっかりとスタンレーの手をにぎった。若きスタンレーとアフリカに一生をささげた老雄の劇的な出会いの一瞬であった。しかしその2年後の1873年5月、リヴィングストンは60年の波瀾の生涯をおえた。
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