悔いが残った今年の巨人軍
連敗中の巨人にとって今年は残念なペナントレースとなった。ワッショイ野球と称してズラリと強打者が揃っていた。岡本、坂本、丸、ウィーラー、中島そして中田翔。長い球団史をみてもこれほどホームランバッターがいた時代はないだろう。王・長嶋を主力としたV9時代は5番打者不在に毎年悩んだ。王・長嶋を敬遠という場面も多かった。ホームランバッターはいなくても、走れる小技ができる好打者がたくさんいた。やはり野球は大艦巨砲主義ではダメだ。とくに今年はコロナ禍で延長戦はない。8、9回にバントで送り、確実に1点をとりにいく野球が大事だった。だが走塁のスペシャリスト増田の活躍はほとんどなかった。五輪があったので坂本勇人は金メダルを取ったあと燃え尽き症候群になったように精彩を欠いた。体力的に疲れていたのだろうか。象徴的だったのは優勝をかけた9月5日、甲子園での阪神戦。6点をリードしていた巨人はなんと坂本をベンチに引き込め休ませた。変わったばかりのショート若林に球がとんでくる。エラーは他の選手にも伝播してて、6、7回で阪神に同点に持ち込まれて引き分けた。原監督がめざすユーティリティー野球にも疑問が生じた。交代された選手は不慣れな守備位置では不安もある。野手が足を引っ張れば救援投手にも狂いが生ずる。全ての選手がその実力を発揮できないで1年を終わることになった。不振の中田をシーズン途中に獲得してもホームランを期待できるほどセ・リーグの投手は甘くあるまい。一番の松原はバッティング、守備の才能があるものの、出塁率など一番としての役割は十分に果たせたといえない。丸の元気のなさは不明である。投手では菅野や高橋などここ一番活躍できなかった。ベンチワークが目立ちすぎることは害悪だろう。フロントは商業主義に走り、グッズ販売で暴利をむさぼり、闘魂込めてではなく「商魂込めて」であった。巨人再生の道のりは険しい。
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