なます
大根とニンジンを千切りにして酢であえた食品を「なます」という。おせち料理というイメージがあるが、最近はスーパーの弁当の隅っこにある一品。膾と書く。生の魚肉を細かく切ったものが膾で、酢を用いるから「生酢」というのは誤り。日本書紀の景行天皇の条に白蛤(うむぎ)の膾をつくったとあるから、日本で最も古い料理法の1つである。なますに、酢を用いるようになったのは室町時代である。もともとはイノシシやシカの肉を切って「なます」として食べていたがやがて焼くことを知って焼肉にする。現代の大根、ニンジンなどは精進なますである。「羹に凝りて膾を吹く」という語は「楚辞」にある屈原の詩から出た故事成句で、一度失敗したものに凝りて度の過ぎた用心をするということを意味する。
« 流石 | トップページ | ルター「95ヵ条の論題」 »
「料理」カテゴリの記事
- お子様ランチの謎(2023.05.20)
- 江戸時代、日本人は白菜を知らなかった!?(2023.03.05)
- 室蘭カレーラーメン(2022.12.24)
- 豆乳の日(2023.10.12)
- パンケーキとホットケーキ(2022.09.24)
« 流石 | トップページ | ルター「95ヵ条の論題」 »
コメント