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2021年8月28日 (土)

湖畔詩人ワーズワース

    ウィリアム・ワーズワース(1770-1850)はイングランド北西部、湖水地方の自然を詠うことに生涯を捧げ、「湖畔詩人」と呼ばれた。他のロマン派詩人キーツ、バイロン、シェリーとは違い長命であったが、妻メアリーと3人の子、妹との穏やかな暮らしは、むしろ詩人としての感性が、30代の半ば頃には枯渇してしまったように思える。サミュエル・コールリッジ(1772-1834)とともに1798年に出した詩集「リリカル・バラッズ」(「抒情歌謡集」)はイギリスの詩の発展に大きな影響を与えた。

 

       私の心は虹を見るとおどる

 

  私の心は、虹を見るとおどる、

 

  おさないころにそうだった、

 

  おとなになっている、いまもそうだ、

 

  やがて老いても、そのように、

 

  そうでなければ、死んでいたい、

 

  おさな子はおとなの父だ、

 

  それで、私は望ましい、

 

  わたしの日々が、

 

  自然をうたう心で、

 

  一日一日と

 

  むすばれていくように。

 

                     (安藤一郎訳)

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