湖畔詩人ワーズワース
ウィリアム・ワーズワース(1770-1850)はイングランド北西部、湖水地方の自然を詠うことに生涯を捧げ、「湖畔詩人」と呼ばれた。他のロマン派詩人キーツ、バイロン、シェリーとは違い長命であったが、妻メアリーと3人の子、妹との穏やかな暮らしは、むしろ詩人としての感性が、30代の半ば頃には枯渇してしまったように思える。サミュエル・コールリッジ(1772-1834)とともに1798年に出した詩集「リリカル・バラッズ」(「抒情歌謡集」)はイギリスの詩の発展に大きな影響を与えた。
私の心は虹を見るとおどる
私の心は、虹を見るとおどる、
おさないころにそうだった、
おとなになっている、いまもそうだ、
やがて老いても、そのように、
そうでなければ、死んでいたい、
おさな子はおとなの父だ、
それで、私は望ましい、
わたしの日々が、
自然をうたう心で、
一日一日と
むすばれていくように。
(安藤一郎訳)
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