パリは汚い
パリの空の下、セーヌは流れる。花の都パリを流れるセーヌ川だが、実は日本一汚い淀川をはるかに上回る汚染度で、泳ぐことはおすすめしない。さいきん水質検査をしたところ、コロナウイルス感染者の排泄物に含まれるウイルスが下水からセーヌ川に流れこみ、そこから取水したのが原因だと考えられる。ファッション雑誌やフランス映画に憧れ、パリ暮らしを始めた日本人女性がよくかかる病が「パリ症候群」。理想と現実の差にショックを受ける一種の適応障害のような病気だそうだ。パリの街も路上に散らばるゴミや、壁に描かれたスプレーの落書きなど悲惨のものである。
しかしシャンソンやシネマ、絵画で馴染みのある風景にはエッフェル塔とセーヌ川が良く似合う。パリを東から西へと流れるセーヌ川には、37の橋が架っている。最古の橋は1578年5月31日から起工し、1607年まで30年を費やして完成したポン・ヌフ(新橋)である。パリ中心部のシテ島の対岸に店を連ねる古書店はパリの観光名所の一つでもあるが、1606年にポン・ヌフ橋上で露店を開いたのがきっかけで広がったといわれる。街の東外れにあるベルシー駅方面がセーヌ川の上流にあたる。一番初めに上流に架かる橋はアモン橋。アモンとは上流という意味である。続いて、ナシオナル橋、トルビアック橋、シモーヌ・ド・ボーヴォワール橋、ベルシー橋、シャルル・ドゴール橋、オステルリッツ高架橋、オステルリッツ橋、シュリー橋、マリー橋、ルイ・フィリプ橋、トゥオネル橋、サン・ルイ橋、アルコル橋、ノートルダム橋、プティ・ポン、シャンジュ橋、サン・ミッシェル橋、ポン・ヌフ、ポン・デ・ザール、カルーゼル橋、ロワイヤル橋、レオポール・セダール・サンゴール歩道橋、コンコルド橋、アレクサンドル三世橋、アンヴァリッド橋、アルマ橋、ドウビリ橋、イエナ橋、ビラケム橋、ルエル橋、グルネル橋、ミラボー橋、ガリリアーノ橋、アヴァル橋、イッシー橋。37番目がタンカルヴィルとマレ・ヴェルニエ間に架かる吊り橋「タンカルヴィル橋」。
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