イギリス文化の多様性
イギリスという国は、面積は日本の約65%、人口は約半分弱を占めるに過ぎない島国でありながら、産業革命を最初に起し、典型的な近代国家として歴史を歩んできた国である。つまりイギリス的な生き方とか、物の見方というものが、スタンダードとなり、政治、経済、軍事、文学、科学その他あらゆる方面で独自のものを生み出し、人類に貢献して今日にいたった。今日の世界では、どの国民も非常に密接な関係にある。
ふつうイギリスはアングロ・サクソンの国と言われる。しかし、ブリテンの島に、はじめからアングロ・サクソン人がいたのではない。記録の上に、はっきりと、あらわれるのは、ローマ人が、このブリテンの島まで遠征してきて、しばらく住んでいた。ローマ人の移住してくる以前のブリテンの島の様子はよくわからない。だがブリテンの島には古代ブリテン人が作ったストーンヘンジと呼ばれる巨大な石の積み重ねが残っている。これが何のためのものであるかは、いまもってよくわからない。前1800年ごろビーカー型の土器を用いた原ケルト系のビーカー人がラインラントから青銅器文化をもたらした。さらに前7世紀ごろには、ハルシュタット文化、前4世紀にラ・テーヌ文化という鉄器文化をもつケルト人が侵入・定住してきた。このケルト人は、その後ブリテンの島に入ってきたローマ人、さらに続くアングロ・サクソン人によって駆逐され、スコットランド、ウェールズ、コーンウォールからアイルランドのあたりに住んだ。このケルト人たちは、特別の気風をもっており、アングロ・サクソン人となじまぬところがあった。イギリス人の歴史に異質的な1つの要素となった。
(Celts,Stonehenge,Anglo Saxons,Britain,Ireland,Wales,Scotland)
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