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2021年6月21日 (月)

谷崎文学における女性像

Img_0029  谷崎潤一郎は創作中の女性像の造形に際して、実在の女性が大きく影響を及ぼすタイプの作家であるらしく、これまでも作品のモデルに関する論稿には枚挙に遑ない。大正6年に母セキが死去し「母を恋する記」を発表している。谷崎にとって「母恋い」は永遠のテーマである。代表作「細雪」は阪神間に居住した時代の作品で、松子とその妹たちや娘との出来事を題材に、随所に当時の耽美な世界が垣間見える。

 

Img_0008_2    谷崎が好むタイプとしておよそ3つのタイプがある。第1は「ナオミ」(痴人の愛)に代表される奔放な小悪魔タイプ。当時の谷崎の妻であった千代の妹、小林せい子(1902-1996)、女優・葉山三千代(本名・和嶋せい)は手足のスラリとした、西洋風の顔立ちの美人であった。「颯子」(瘋癲老人日記)のモデル、渡辺千萬子などもこのタイプに該当する。

 

  第2に「お遊さん」(蘆刈)のような日本的で古風な女性タイプ。根津松子やその妹・重子がこれにあたる。

 

 

 

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  古川丁未子       渡辺千萬子

 

   第3に、愛の対象にはならないが、交際相手として好まれる「井谷」(細雪)のような女である。歯に衣を着せず、思っていることをずけずけ言うが、大変面倒見がいい。古川丁未子との離婚問題に奔走した妹尾君子がこのタイプである。

 

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    左から恵美子、松子、重子、信子

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コメント

谷崎文学の女性は面白い。

色々違ったタイプがでてくるところがいい。

若い頃、色んな女性と交際しましたが、それぞれ個性違いますね。女性から見て男だってそうでしょう。

作家は人間は研究材料、実験材料ですから、冷酷無惨に分析しますね。(≧∇≦)

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