トルストイとチェス
ロシアの文豪レフ・トルストイは、大のチェス好きであった。大学生のころ、ペテルスブルグのチェスクラブの常連であった。そこでいつもツルゲーネフと、チェス盤をはさんで向かい合っていたという。1864年に、妻の弟にあてた彼の書簡があり、それには「きみはチェスをやっていますか。私は、チェスや本や狩猟のない生活なんて、想像もできません」と書かれている。
トルストイの晩年の生活では、チェスはさらに重要なものとなっていた。50歳を過ぎて初めてモスクワに屋敷を所有し、妻と大勢の子と暮らした。朝9時から午後4時まで執筆し、チェスは、夕方の日課だった。相手をつとめたのは、アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル(1875-1961)という若いピアニストであったが、2人は15年間に600局以上のケームをしたといわれている。ゴリデンヴェイゼルはトルストイの最期を看取った1人だが、回想録にはチェスのことが詳しく書かれている。
ゴリデンヴェイゼル
Leo Tolstoy,Alexander Goldenweiser
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