中国語でカバーされた日本の歌謡曲
「最愛」(1984)は柏原芳恵の21枚目のシングル。オリコンチャートでは最高位8位だった。芳恵のヒット曲は「春なのに」「ハローグッバイ」「花梨」など多数あるので、日本ではそれほど知られていないかもしれない。だが「最愛」はアジア圏ではとても広く知られた歌である。香港のアイドル歌手ヴィヴィアン・チョウ(周慧敏)が「最愛」をカバーして大ヒットしたからだ。上海でのコンサートでもラストに歌う曲でファンにはたまらない極上の一曲である。周慧敏はスタイル抜群のとても美しい歌手である。河合奈保子の「ハーフムーン・セレナード」も中国では「月半小夜曲」として広く知られている。水越恵子の「Too Far Away」も日本ではそれほどヒットしなかったが、韓国ではジョンフンなどがカバーして今では名曲となっている。
蔡淳佳(ツァイ・チュンジア)はシンガポールの歌手だが、中国語で「涙そうそう」や「雪の華」をカバーしている。「療傷系紙片人」と呼ばれ、いやし系の紙のように痩せている美人という意味。
日本の歌曲はアジア各国で知られているというのは戦前からのことで、日帝植民地支配による影響が大きい。だがアジアの歌姫テレサ・テンが歌ってアジアで広まった日本の歌謡曲は多い。「グッド・バイ・マイ・ラブ」「長崎は今日も雨だった」「港町ブルース(苦海女神龍)」「襟裳岬」「北国の春」「昴」「神田川」などなど。梓みちよの「渚のシャララ」などは本国日本よりも海外で知られている。しかし歌詞は元歌の意味とは無関係に北京語でつくられことが多い。
Vivian Chow
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