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2021年6月 8日 (火)

異常気象と世界史

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    ギルバート・ホワイト(1720-1793)の「セルボーンの博物誌」は古典的名著である。セルボーンという場所はイギリスのハンプシャー州の寒村。1789年、フランス革命と同じ年に刊行されている。「1783年の夏は、驚くべき異常な夏で、恐ろしい現象があいついで起こった」とある。この恐ろしい現象は実は日本とも深く関係している。浅間山は1783年5月9日から8月5日にかけて活動が活発化し、6月25日には大噴火が起こった。この時の噴煙は成層圏にまで達し、その後数年にわたって、そこに滞留したため、世界的な気候の寒冷化をもたらした。気温の低下は平均で、セ氏1.5度に達したと推定される。浅間山の噴火によって日本では天明の大飢饉が全国に及ぶ。津軽藩では、1783年9月から翌年6月までの餓死者は、男女合計81702人といわれる。菅江真澄は旅日記「楚堵賀浜風(そとがはまかぜ)」の天明五年八月の項に、草むらに山と積まれた餓死者の白骨を目にし、飢饉の惨状を記録している。1783年6月8日、アイスランドのラキ火山が噴火した。火山灰などの影響により数年にわたりヨーロッパが異常気象に見舞われる。噴火の直後から小麦の不作がフランスを襲った。小麦価格の高騰がみられるような社会不安がフランス革命の原因となったと考えられる。気候変動が世界史を動かすことがある。

   近い将来、学校の世界史の教科書が大きく書きかえられるかもしれない。これまで歴史と自然科学は別物として区別されてきた。しかし人類誕生から歴史をかんがえるのではなく、宇宙に目を向けてビッグバンから解き明かすべきであろう。デーヴィッド・クリスチャンが提唱するビッグヒストリーがDVDなどで浸透している。歴史は全宇宙の壮大な物語の中から、人類の過去と未来を研究する学問へと変わろうとしている。

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