日本語のなかで使われているオランダ語を語源とする言葉
江戸幕府は長崎出島を通じて西洋の文物を移入したので、オランダ語を語源とした、いまでも日常生活で普通に使われている外来語が日本語の中に多く入っている。たとえば「卑怯者のレッテルを貼られる」の「レッテル」。もともとオランダ語の「letter」。「お転婆」は「ontembaar」(手に負えないの意)。「博多どんたく」は「zondag」。「エレキテル」は「elektriciteit(電気の意)」は最も人々を驚かし江戸の和製洋語ブームが起こった。平賀源内は蘭語を学んで、身の回りの道具に、いろいろ西洋風の名をつけて楽しんでいた。たとえば、自分の発明した、くるくる振りまわして蚊をとる機械は、「マアストカアトル」、つまり「まわすと蚊をとる」という洒落である。源内の周囲では、一時、こうした和製の洋語が流行していたという。糊を包んで、隅に穴をあけ、押し出して使う「万年糊」のことは「オストデール」。また、もの忘れのひどい人のことを、「スポントワースル」などと名づけてよろこんでいたらしい。(理斎随筆)
インキ inki
カンテラ kandelaar
カンテル kamfer
コーヒー coffee
コック kok
コップ kop
ゴム gom
コンパス kompas
サーベル sabel
サテン satijn
シロップ siroop
スコップ schop
ズック doek
ソーダ soda
ソップ soup スープ
ビール bier
ベンガラ bengala
ホース hoos 水を送る管
ポンズ pons ポン酢
ポンプ pomp
マッチ match
マドロス matroos 船員
モートル motor モーター
ラッパ
ランドセル ransel
ランプ lamp
リュウマチ rheumatisch
参考:斎藤静「日本語に及ぼしたオランダ語の影」 1967年
« 「いだてん」三島弥彦と金栗四三 | トップページ | 第二次世界大戦欧州戦線における停戦 »
コメント