ミロのヴィーナスの両腕
本日は「ヴィーナスの日」。1820年のこの日、エーゲ海のメロス島のある農夫がヴィーナス像を発見した。農夫の名前には諸説ある。ヨルゴス・ケンドロタスという説、あるいは彼の息子のアントニオであったという説。また、彼の父親のテオドロス・ケンドロタスという説もある。ともかく第一発見者は、この像を司祭のマカリオ・ヴェルギスという人物に売り払った。この司祭は、トルコ人の役人への贈り物にしようとした。この像がイスタンブール行の船にまさに積み込まれようとしている時に、フランス大使の代理がメロス島に駆けつけて、阻止して、フランスがこの像を手に入れることができた。こうしてミロのヴィーナスはルーヴル美術館に所蔵されることになったのである。
ルーヴル美術館の至宝ミロのヴィーナスは理想のプロポーションといわれる。上半身と下半身の比率が1対1.618で、人間が最も美しいと感じる黄金比だそうである。両腕がないことも全身が露わになって魅力を増している。清岡卓行はミロのヴィーナスが両腕を失ったたがため思いがけなくも心象的な美というものの一つの典型になったと説いている。(手の変幻)失われた両腕は本来どのようなしぐさをしていたのだろうか。右手は衣のすそを抑えるように下にたれて、左手は筋肉の隆起から見て、前にだし肩よりは少し上でリンゴを持っていたと考えられる。(keyword;Venus de Milo,Golden Ratio、4月8日 )
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