無料ブログはココログ

« 英語の慣用句 | トップページ | 鏡に照らして白髪を見る »

2021年4月25日 (日)

玉杖十簡

Img_0001

 

孝平皇帝元始五年幼伯生。永平十五年受玉杖

    1959年秋に甘粛省武威県磨咀子第18号墳から出土した各簡23ミリ余りの武威漢簡の一例をあげる。漢代では高祖以来高齢者を優遇する養老政策をとり、老人に特権を与えていたが、その一つに杖頭に鳩のついた玉杖を下賜した。画像は玉杖十簡といわれる第1簡である。

    幼伯はこの墓の被葬者である。前漢平帝の元始5年(5)に生まれて、後漢明帝の永平15年(72)に鳩杖を賜わった。玉杖を与えられたものの特権を規定した法令(制詔)と鳩杖とを一緒にして棺の上に置かれていた。

    簡の初めに黒丸をつけ、1字あけて10数字書いている。空いた部分を麻縄で冊書にしてあったが、1900年が経過して、麻縄が朽ちて簡の順序が混乱したため配列の順序は不明である。画像は郭沫若の説に拠るものであるが他に4説があるという。

    第3簡と第9簡に、皇帝の命令である制の字が見えることから、漢代の令を研究する上に玉杖十簡は重要な資料である。(参考:「書道全集26」平凡社,大庭脩「漢代の決事比 玉杖十簡配列の一案」関西大学文学論集創立90周年記念特輯 関西大学文学論集 1975年)

 

この写真を見る

 

 

« 英語の慣用句 | トップページ | 鏡に照らして白髪を見る »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 英語の慣用句 | トップページ | 鏡に照らして白髪を見る »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31