悲運のスコット南極探検隊
ロバート・ファルコン・スコット(1868-1912)。イギリス海軍士官であり、南極探検家であるスコットは、1910年、テラ・ノバ号にて第2回の南極探検に出発する。この探検は、世界初の南極点到達を目標としていた。1911年11月旧極点パーティ5名、支援隊とも11名で南進の途についた。だが寒気に強い犬より劣る橇引きの馬と自動橇は殺すか捨てるほかなかった。支援隊と別れてのち、重い橇を滑らないサストルギー雪の上を肩で引き上げ、顔も向けられない暴風雪に体力を消耗しながら、1912年1月17日辿りついた極点には、すでにノルウェーの旗が立ち、スキーと犬の足跡が残っていた。帰途は一層苦しく、隊員は倒れ、3月末にスコットとウィルソンの2人も、空しい亡き骸となり、7ヵ月後に発見された。最後まで重い採集品を手放さず、かたわらの日記には探検の詳細、イギリス国民に宛てたメッセージがしたためてあった。それを読む者には不屈の精神力と悲しい心情を訴えていて涙をさそうものである。
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