キリスト十字架はりつけ刑の謎
2人の盗賊の中に磔けられるキリスト アントネロ・ダ・メッシーナ 1475年
イエスが処刑されたのは一般的には十字架であったと信じられている。しかし横木を用いた十字形ではなく、スタウロスという「杭」で処刑されたという学説もかなり古くから存在する。つまりイエスは両手を頭上に伸ばした形で杭に手と足に太い釘が打ち込まれた。釘の刺さった箇所が体の重みで裂けるため、痛みは耐え難いものである。当時のユダヤはローマ支配下にあってローマ時代の一般的な方法は十字架刑ではなく杭殺刑であったというのがその根拠である。中世の絵画では、マンテーニア(1431-1506)の作品にみられるような十字架刑がほとんどである。ところがメッシーナの作品のように左右の罪人を杭刑で、イエスを十字架刑に区別しているものもある。しかし、杭と十字架を並べることはいかにも不自然である。十字架磔刑説はキリスト教がヨーロッパに普及して成立したものであろう。
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