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2020年12月17日 (木)

聴いていて気恥ずかしくなる歌謡曲

   子供のころに聞いた曲で、題名も歌手もなかなか思い出せないが、忘れられない曲が誰にもあるものだ。ふとした切っ掛けで、耳にすることができた。なんとも気恥ずかしいような曲調で、いまではテレビで聞くことはほとんどできないだろう。愛川みさ「誰にも云わないで」(1969)である。当時、ラジオはもちろんテレビの歌番組でもよく流れていた。「♪どことなくさみしそな あのひとが好きなのよ じっと見ているだけで 泣けてくるわたし」女の媚びを含んだなまめかしい声、いわゆる嬌声である。昭和40年代は、特異な声が流行った時代であり、若い頃の日吉ミミも嬌声歌手の1人だった。作詞・作曲は国民栄誉賞の遠藤実である。遠藤には「星影のワルツ」や「北国の春」のような名曲もあるが、お色気ソングも多い。ミノルフォン・レコードの楽曲は気恥ずかしくなるような曲が多い。それが歌謡曲の醍醐味かもしれない。愛川みさ「誰にも云わないで」は誰もカバーできないだろう。実は1983年に小久保尚美でカバーしている。嬌声ではなくサラリと歌っていて聞きやすい。愛川のような気恥ずかしくなるほどの歌謡曲というのも遠い昭和の思い出かもしれない。五月みどり「おひまなら来てよね」(1961)は遠藤がたまたま目にした仏映画「今晩おひま?」ジャン・ピエール・モッキー監督のポスターから着想したそうだ。

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