古ゲルマン社会
ゲルマン人は、バルト海沿岸やユトランド半島の森林・沼沢地帯を原住地としていたが、しだいに南下して先住のケルト人を駆逐し、紀元前後のころにはライン・ドナウ両河を境にしてローマ帝国と接触するようになった。大移動以前のゲルマン人の社会を古ゲルマン社会という。
ゲルマンの社会組織は、貴族・自由民・奴僕・奴隷の4つの身分があった。社会の基礎をなす家庭については、家長権は絶対で、妻や子を抑え、奴僕、奴隷を従えていたが、その気分は健全で、殊に夫婦の間に一夫一婦制が厳重に守られていた。家族が寄って氏族をなしていた。大体これに基づいて、村落ができた。民族が幾つか集まって部族が組織され、それは地域的にはおおむねガウに相当する。さらにその上に国家組織があり、それがキヴィタスである。キヴィタスは50くらいあったが、それには大小があり、従属、同盟の関係で結びつけられたものもあって複雑であった。ゲルマンの政治で特色とすべきことは民意が尊重される傾向であり、ディングDing(ドイツ語)、シングthing(古北欧語)などと呼ばれる民会があって、全自由民が政治に参加し重要問題を決定した。(Gau,civitas、世界史)
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