現代彫刻
20世紀の彫刻は、19世紀のロダンから絶大な影響を受けている。ブールデルやマイヨールなども、もっとも強くロダンの精神に接して多くのものを学び取った。しかし二人とも、のちにはロダンに反旗をひるがえした。現代彫刻はその表現様式のうえからみて、大きく三つの流れに分けることができる。第一は、伝統的な人体表現を基礎としながら、それに自由な変形を加えて新しい生命感を表現しようとするもので、マイヨールをはじめ、グレコ・ファッチーニ、ヘンリー・ムーア、ザツキン、アレキサンダー・アーキペンコ、スキーピング、モーリス・ランバートらがいる。第二は、純粋に抽象的な形態の組み合せによって独自な造型世界を求める抽象主義の流れで、ブランクーシやアルプらがその代表であろう。ブランクーシに影響を受けたカール・アンドレはミニマル・アートと呼ばれる20世紀を代表する作家である。そして第三に、激しい表現によって人間の本質を追求しようとする表現主義的傾向がある。ジャコメッティなどその最もすぐれた作家と言うことができよう。
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