柳沢武運三について
検察官や警察官が、変死の疑いのある死体を調べることを「検死」という。1879年に刊行された本に「警官郡吏必携検死法」がある。著者は柳沢武運三(やなぎさわ ぶうんぞう)という戯作者。柳沢が如何なる人物であるか手がかりとなる資料がないが、国立国会図書館サーチで検索すると109件もヒットする。1879年の「日本楽府」(頼山陽)から、「匠左甚五郎之伝」(1896)まで17年間にわたり、著作あるいは出版業として開化明治期に活躍したらしい。著書の奥付によると「大阪府下東区龍造寺町23番地」に住んでいたことが判明する。「現行大日本法律全書」「商家必要印税訳解」など実務書から「知恵のおた巻 絵入」「算法智恵環」まであらゆる分野を執筆している。代表作は「柿木金助実伝」で、大凧で名古屋城の金鯱の鱗を盗む話である。明治期の戯作者はあらゆるジャンルの本を書いていたらしい。
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