犬の名前はなぜ「ポチ」なのか?
二葉亭四迷の「平凡」にはポチという名前の犬が登場する。ある少年が弁当のおかずを残してやってかわいがっていたが、ある日、犬殺しに連れ去られて死んでしまい泣き出したという話である。「ポチ」はかつて犬の名前として広く使われた。「ポチ」とはどういう意味なのか、外来語なのか明らかではない。広辞苑には「犬の名前として広く使われた語」として明治29年の田沢稲舟「腰元のお京と、御寵愛のポチとともにつれて」(五大堂)を引用している。ウィキペディアには「フランスの宣教師が自分の犬をPetit プチ(かわいい)と呼んでいたのを、日本人が犬の名前と誤って解釈したとある。チェコ語「ポチュ」(来い)の説。英語の「スポッティ spotty(まだら模様)」のスが消えて「ポチ」になったとする説。英語パッチ、ぶち犬のことをポチと勘違いした説、イギリス人が番犬で「Go porch」と言っていることから「ポチ」が広まったとする説。法師の訛りとする説。明治初期、フランスの教科書を翻訳したとき、そこにでてきた犬の名前がプチだったが、それをポチと和訳したという説がある。ご祝儀に使う小さな袋を京阪地方では「ぽち袋」という。もともと舞妓などに与えていた祝儀袋のことであったが、近年では「お年玉袋」なども全国的に「ぽち袋」と称呼されるようになっている。戦後、犬の人気名前は「コロ」「クロ」「チビ」「シロ」「メリー」など。90年代になって再び「ポチ」が人気復活するが、現在は「ラッキー」「チョコ」「モモ」「マロン」「きなこ」「ミルク」「ショコラ」などが人気である。(仁科邦男)
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