郵便(明治事物起源)
近代日本の郵便制度は前島密により明治4年3月1日に始まった。創業時の郵便ポストは「書状集箱(しょじょうあつめばこ)」という。肘付き台に四角い箱をのせた木製ポストで、「上り方」「下り方」の二つの箱があり、上の掲示板に取集時刻や料金が書かれた。東京、京都、大阪、そして東海道の宿場62ヵ所に設置された。明治5年になると、黒いペンキを塗った「黒塗柱箱」(黒ポスト)が現れる。そして明治34年に鉄製の赤色丸型ポスト(中村幸治考案)ができる。
書状集箱 黒ポスト 中村式ポスト 近代郵便制度は、イギリスのローランド・ヒルが1837年にペニー郵便制を創案したことに始まる。それとともに登場したのが、四種の切符手形、いわゆる「切手」である。意匠に竜をあしらったことから、総じて「竜文切手」と呼ばれている。松田禄山の玄々堂が手作業で切手を製作していた。(これを手彫切手という)この日扱った郵便の数は、東京・大阪間でわずか308通しかなかった。やがて明治9年から明治政府に雇われたキヨソーネが印刷技術による切手を製作する。これより以前の明治3年、イギリスの貿易会社が発行した外国人向けのサザーランド切手というのが15枚ほど確認されている。東京築地ホテル館と横浜アフターハウスホテル間を馬車で手紙を運んだ。翌年には郵便制度が始まったので短期間で中止されている。世界初は1840年5月1日、イギリス郵政省が「ペニー・ブラック」を発行した。
サザーランド切手
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