海外から見る「不思議の国ジャパン」
いま思えばあれが悪夢のはじまりだった。7年前、IOC総会(ブエノスアイレス)で2020年五輪・パラリンピックが東京と決まった。1回目の投票でマドリードが除外。イスタンブールと東京との決戦投票の結果、60対36票と圧勝、東京が1964年以来56年ぶり五輪開催地に決定した。高い都市機能と強固な財政基盤が強みであった。SMBC日興證券は約4.2兆円の経済効果を生み出すと試算している。岸信介のときに東京五輪が決まって、孫で2回目となるのも運命的である。プレゼンにおけるスピーチや映像の技術など生中継で一晩中見た。ロゲ会長が「TOKYO」と読みあげた瞬間、思わず「やった!」とガッツポーズ(はたして自分は生きているだろうか)。世界はおよそ216の国と地域からなるが、2020年は世界中から多くの人々をおもてなしすることになるはずだった。だがおもわぬコロナウイルス感染の世界的流行で東京五輪は来年に延期と決まった。IMFによると大恐慌以来の不景気になると予測している。さらにコロナ感染が長期化するか再発する恐れもある。東京五輪(1964年)、日本万国博覧会(1970年)は、世界に開かれた平和な経済国家としてよみがえった戦後日本を象徴するイベントとなったが、「夢よもう一度」という甘い見通しに対して自然現象から厳しい現実がつきつけられた。コロナ以後の世界は経済や科学よりも環境保護を重視したエコロジー優先の時代になるであろう。人との交流を避け、移動制限がかけられ、外出自粛のテレワーク、東京五輪とコロナ対策とは真逆のことを強いられる。日本は先ずは原発事故処理を地道にやるべきだった。無駄な大金を投資してしまった。東京五輪のメイン会場となる新国立競技場はいまも臨時休館中である。世界中から集まる選手と観客が一体となって、感動を共有できる舞台となるはずだったが、想定外は東京だけではない。石川県の金沢港クルーズターミナルは急増するクルーズ船の利便性を図るため、2020年春に完成したばかり。ところがコロナ禍のため臨時休館を余儀なくされている。全国各地の旅館・ホテルも東京五輪という夢に踊らされてただただ泣くばかりである。テレビからは「花は咲く」が流れ、「がんばろう日本」などと安易な掛け声も聞かれるが日本の将来は危機的である。個人事業主は収入源を絶たれ死活問題である。とりあえず緊急事態宣言は、25日に全面解除された。だが世界的にみるとコロナ禍は長期化するようだ。WHOは感染が一旦終息したとしても地球上から消え去ることはないとの見通しを示している。ミネソタ大学感染症研究政策センターによると、2022年以降まで続く可能性が高く、世界人口の約3分の2が免疫を獲得するまではできないと述べている。世界でコロナでの死者は30万人を超えた。しかし日本は1000人以下である。AFP通信は日本の感染者数や死者数の少なさについて「Japan Puzzle(日本の謎)」と指摘している。感染防止に一定の成功を収めたように見える日本だが、安倍内閣の支持率低下が気になる。コロナとの戦いではなくコロナとの共存が求められる。
The Olympic Games are held every four years.
オリンピックは4年に1度開催される
Internationl Olympic Committee selects Tokyo as host of 2020 Summer Olympic Games.
IOCは2020年夏のオリンピック開催国に東京を選んだ
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