篠田一士の「日本の近代小説」論
1967年のこの日、東京・駒場に日本近代文学館が開館した。漱石・藤村などの文豪直筆原稿が数多く保存されている。近代日本文学で最高の小説は何か?文芸評論家の篠田一士は「日本の近代小説」において有島武郎「或る女」を日本の近代小説の中で最高位としている。
「有島武郎の小説「或る女」を、私は日本の長篇小説のなかの中心的作品の一つと考えている。日本近代文学のなかで長篇小説もすでにかなりの数に上っているが、二葉亭四迷の「浮雲」から島崎藤村の「破戒」「家」、田山花袋の「田舎教師」も、夏目漱石の「道草」「明暗」などと数えて来ても、私は有島武郎の「或る女」がやはりそれらのすぐれた作品群のなかでも、一頭地を抜いて、しっかりとその姿をこの日本のなかに、示しているのを見るのである。
(4月11日)
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