製紙法の西漸
後漢の宦官蔡倫によって発明された製紙法は、その後改良により実用化され周辺諸国に広がり、東アジア文化圏の礎となった。8世紀唐代になってイスラム世界に伝わった。751年タラス川の戦いで唐が大敗した際、捕虜となってサマルカンドに連行された兵士の中に紙すき職工がいた。アッバース朝ではサマルカンドに製紙工場を設けて紙をつくらせ、やがてバグダッドをはじめとするイスラム世界の各地に製紙工場が設立された。ルートはサマルカンド(751年)→バグダッド(794年)→カイロ(900年)→コルドバ(1144年)→ナポリ(13世紀)→フランス(1320年)→イギリスには1494年に製法が伝わった。(世界史)
参考:「紙の歴史」 桑原隲蔵 芸文2-9、10 1911
「紙幣発達史」 曽我部静雄 印刷庁 1951
「中国製紙技術史」 潘吉星著 佐藤武敏訳 平凡社 1980
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