やかんの湯気
蒸気機関を改良した技術者ジェームズ・ワットは1736年のこの日、スコットランド・グリーノックの大工の子として生まれる。1763年グラスゴーでのこと。家族そろってのティータイム。ワット家では、食卓のヤカンが沸騰している。息子がヤカンの口をふさぐと、沸騰した蒸気の力で蓋がカタカタと音をたててもちあがった。それをみんなが楽しそうに眺めていた。だがワットはふと「蒸気の力」に気づいた。その日からワットはニューコメン機関の改良に関心を抱くようになり、新しい蒸気機関を発明したという。このワットの有名な逸話は実は、作り話である。17世紀のウスター卿が炉の上の鉄瓶の蓋が湯気で持ち上がるのをみて、蒸気ポンプを作ったという逸話をワットにすりかえたものらしい。
スコットランド南西部のグラスゴーは産業都市。「国富論」を著わした経済学者アダム・スミス(カコーディー出身)はグラスゴー大学で学び、ジェームズ・ワット(グリーノック出身)はグラスゴー大学で機械工作の仕事に従事していた。(James Watt,Adam Smith,Glasgow,Greenock,Kirkcaldy,1月19日)
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