永井荷風再考
BSプレミアム「偉人たちの健康診断」耽美派の永井荷風をみる。 荷風は若い頃から腹痛に悩まされていた。日記「断腸亭日乗」は花の名前に由来するが、過敏性腸症候群にも関係するらしい。ゲストの関根、井森、竹山らが荷風文学を一度も読んでいないようで、作品や文体にはほとんどふれないところがお気楽な番組だ。大金を残して孤独死するのは悲しい。空襲で家が焼かれたこともあるが、再婚して身の回りを世話する人がいれば、吐血したときも応急手当ができて、死期をのばせたかもしれない。谷崎や志賀よりも先輩だが、文学的な評価は高い。荷風の係累を調べる。三島由紀夫の祖母の夏子は、永井岩之丞の長女で、三河出身の永井尚志(1816-1891)の孫。(岩之丞は養子) 夏子は内務官僚の平岡定太郎(1863-1942)に嫁ぐ。子が平岡梓、孫が三島由紀夫。一方、永井荷風の父、永井久一郎(1852-1913)も内務官僚で、祖父・永井匡威(まさたけ)は尾張藩士。ともに尾張藩永井家の血脈をつぐ親戚筋にあたる。荷風との仲は一般に悪かったといわれるが、漢学の教養や父の愛した漢詩を床の間に飾っていることをみると実は父を尊敬していたのではないだろうか。
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